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世界最大のビール祭り・『オクトーバーフェスト』その2

『オクトーバーフェスト』の始まりは1810年にさかのぼります。
その年の10月、当時のバイエルン王国の皇太子ルードヴィヒとテレーゼ妃の結婚式を祝って、競馬をメインイベントとした盛大な祝祭が開催されました。このイベントは翌年以降も引き継がれ、1819年からはミュンヘン市が祭の開催を引き受けて、以来、『オクトーバーフェスト』として毎年開催されているのです。
名前の通り、もともとは10月のお祭りでしたが、ドイツの10月は冬のような冷え込みに襲われることも多く、まだ夏の名残のある9月の方が祭を満喫できるということで、開会が次第に9月中旬に変更されていったのだそうです。

『オクトーバーフェスト』のメインは、前回でもお話したように、巨大なビールテントの中、1リットルジョッキで豪快に飲むビールですが、初日と2日目に行われるパレードも見逃せません。
初日を飾るのは、ミュンヘン市長と、黒いフード付きのマントを着て、市章のミュンヒナー・キンドルに扮した女性が馬に乗って先頭を行き、自社のビヤ樽を積んだ地元のブルワリー(醸造所)の馬車が続くオープニングパレード。樽を積んだ馬車には花がたくさん飾られ、民族衣装に身を包んだ主催者や楽団が、ミュンヘン市内のゾンネン通りを出発して、約45分かけ、会場のテレージエンヴィーゼ(テレーゼの緑地)に向かいます。

そして、正午になると巨大テントのひとつ、ショッテンハーメルで、ミュンヘン市長が最初のビヤ樽の栓を開け「O‘zapft is!」(バイエルンの方言で「酒が出たよ!」)と宣言。このセレモニーで正式に『オクトーバーフェスト』が始まるのです。
各ビールテントは、朝9時にはどこも満席ですが、市長のこの宣言があるまでは、1滴もビールを飲むことができません。

3月に醸造して夏の間寝かせておいた、味が濃く、アルコール分の高い『オクトーバーフェスト』用の特別ビール「ヴィーゼンビア」が、マースと呼ばれる1リットルのビアジョッキに注がれ、最初のマースは、バイエルン州首相に渡されます。
そして最終日まで、朝10時(週末は9時)から夜23時半(ラストオーダーは22時半)まで、お祭りは延々続きます。



開会翌日の日曜日に行われるもう1つの盛大なパレードは、『オクトーバーフェスト』の最高の見せ場です。色とりどりのドレスや、昔の制服などをまとった約8,000人が、州議会議事堂のあるマクシミリアネウム前からスタートし、ミュンヘン旧市街のマクシミリアン通りからオデオン広場、ゾンネン通り、シュヴァンターラー通りと進み、『オクトーバーフェスト』の会場に約2時間かけて向かいます。約7㎞に渡るルートの沿道には、華やかなパレードを見ようと、朝からたくさんの人達が詰めかけ、それはにぎやか!


このパレードの見どころは、各地域ごとに色やデザインの違った、個性溢れる民族衣装。それを見比べるだけでもとっても楽しい!
他にも、吹奏楽隊、射撃クラブ、ファンファーレ隊、中世の風変わりな踊りを披露するグループなど、伝統文化を保存するグループや団体が、工夫を凝らした演出で楽しませてくれます。


お祭りの花形、ミュンヘンの各ブルワリーも負けてはいません。豪華に飾り付けられた馬車を、これまた飾りをたくさんまとった何頭もの立派な馬に引かせて華やかにアピール。ミュンヘン市長やバイエルン州首相も馬車に乗ってパレードに参加し、観客から喝采を浴びます。

パレード以外のイベントで、にぎやかさNo.1なのは、会期中の2度目の日曜日に開催される民族音楽の野外コンサート。いつもは各テントの中でムードを盛り上げている楽団たちが、この日は一同に会し、400人から成る大楽団を結成。衣装はもちろん民族衣装で、管の長いアルプホルンなどの民族楽器も登場します。遊園地で遊んでいた子供達も、響き渡る演奏に引き寄せられ、野外コンサート会場にそびえる約18.5メートルの女バヴァリア像の下に集まって来ます。

『オクトーバーフェスト』では、ビール以外に食べ物にも注目です。
「ヴィスブストー」というミュンヘン名物の白ソーセージや粗塩の付いた香ばしいプレッツェル。そして、巨大テントの中のいちばんの名物、鳥の丸焼き「ヴィーズンヘンドル」。この丸焼きをみんなでつつき合いながら、1リットルのマースジョッキで、何度もこんな乾杯の歓声がテント中に響きます。「プロースト!」


レポート・文 前川 みやこ(コラムニスト・ライフスタイルアドバイザー) 写真提供:OFFICE SHIBA Inc. Winbull Co.,Ltd.

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